立教大学スポーツウエルネス学部(埼玉県新座市、学部長:沼澤秀雄)の小林哲郎准教授は、リスク計測テクノロジーズ株式会社(代表取締役:岡崎貫治、以下「RimTech」と東京海上日動システムズ株式会社(代表取締役:原田晋、以下「東京海上日動システムズ」)とともに企業従業員のウェルビーイングに関わる課題を幅広く理解し、その解決への道筋を探るために、共同で「企業の健康経営に関する研究」プロジェクトをスタートしたことをお知らせします。


 働き方改革や近年のパンデミック等により急速に進展したリモートワーク化が進むなか、多様な働き方や仕事の場所・場面においても、企業にとって貴重な資産である人材(人財)としての従業員のウェルビーイング[i]を実現することが、企業の成長や発展に大きく関わってくると考えられます。そのため、従業員のウェルビーイングやモチベーション、パフォーマンスの状態を理解し、適切にマネジメントすることが必要になってきます。

 立教大学小林研究室では、スポーツ科学[ii]とデータサイエンスに基づいた、人のパフォーマンス向上や心理面でのケア、心身不調の予防やコンディショニングなどの知見を活かし、さまざまな角度から分析・検証をおこない、スポーツ科学をビジネスの現場に応用することで、企業や従業員のウェルビーイング実現に向けた調査・研究を進めていきます。

 RimTechでは、リスク管理を通じて社会・企業の持続的発展に貢献するため、リスクへの気づきや意思決定を支えるソリューションを研究・開発・提供しています。人に関するリスク削減に向けた発話音声解析エンジンの技術を活用し、企業や従業員のウェルビーイング実現に向けた調査・研究を進めていきます。

東京海上日動システムズでは、デジタルイノベーション本部データ活用部を中心にさまざまなデータを活用した課題解決のアプローチを実践しており、今回の産学連携プロジェクトにおいてもデータを利活用しながら、社内でおこなう実証実験等を通じて具現化し、その成果を広く社会に還元していきます。  東京海上日動システムズと、RimTech、立教大学小林研究室は今後も連携して、日本が直面している企業の健康経営における課題について理解を深め、解決に向けた取組みをおこなうことで、企業や従業員のニーズに応え、持続可能なウェルビーイングの実現に貢献していきます。

コメント

・小林 哲郎(立教大学スポーツウエルネス学部スポーツウエルネス学科准教授)

テクノロジーの発展により、私たち一人ひとりの単位で客観的な健康に関するデータが手軽に収集できる時代になりました。本取り組みでは、単に健康関連データを収集して可視化するのではなく、従業員が気持ちよく働き続けることができる職場環境へと企業が改善し続けるための示唆を与えるデータ活用を目指します。

・岡崎 貫治(リスク計測テクノロジーズ株式会社代表取締役)

リモートワークの進展と働き方改革により、持続可能な企業・組織の活動を支えるためには、従業員が真に快適に働ける職場環境の重要性が一層増しています。今回の取り組みでは、データを活用して「快適に働ける職場環境」を数値化し、働く人々を通じて職場環境を科学していきます。このような先進的な取り組みに関与でき、少しでも社会課題の解決に貢献できることを大変光栄に思います。

・木村 英智(東京海上日動システムズ株式会社デジタルイノベーション本部データ活用部長)

このたびの共同研究を通じて、新しい技術や多様な知見を組み合わせ、パートナーシップによるシナジー効果を最大限に発揮することで、データ活用の新たな可能性を追求し、社会課題の解決に向けた一歩を踏み出せることを大変光栄に思います。今回の取り組みが、企業や従業員にとってより良い職場環境づくりに貢献する具体的な成果へとつながることを期待しています。


[i] ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉。心身共に満たされた状態を表す概念。持続的に良好であるとしていることが特徴。

[ii] スポーツと身体運動に関連する様々な分野を統合的に研究する学問。運動生理学、運動生物学、運動心理学、スポーツ栄養学、運動バイオメカニクスなどが含まれる。