コラム Vol.1: ポストコロナ時代の働き方に対応した生産性の最大化に向けて

新しい生活様式(ニューノーマル)

2020年、年初から世界的に広がったcovid19(新型コロナウイルス)は、これまでの生活様式を大きく変えるものとなりました。一方、こうした変化は、テレワークといった新しい働き方の実現可能性を検証する機会となり、働き方の選択肢が増えたとも言えます。

今後、「新型コロナウイルスの第2波、第3波」や「自然災害」等のリスクを考えると、働き方の選択肢が増えたことは、少なくとも業務継続計画(BCP)の観点ではプラスに寄与すると考えられます。さらに、通勤しなくなることで、新型コロナウイルスから身を守るだけでなく、余暇の増加やストレス軽減にメリットがあると考えられます。

新たな問題とリスクベースでの対応

もっとも、テレワークの普及に伴い、不慣れな環境や気軽に同僚に相談できないことによるストレス、談笑談話がもたらすリラックスが得られない等、新たな問題も指摘されています。従って、こうした問題を解決し、テレワークのメリットをうまく享受していくことが、ポストコロナ時代における生産性向上の鍵を握ると考えられます。

上記問題の解決策として、コミュニケーションの向上が考えられますが、限られたリソースで最大限の効果を得るためには、リスクベースの観点が必要になると考えられます。つまり、生産性を低下させる原因(リスク)を特定し、リスク度の高い箇所から優先的にリソース(人、時間)を投入していくことを考えます。

従業員の元気が生産性を左右する

健康経営や働き方改革が推進されている通り、従業員の元気・健康と生産性には密接な関わりがあります(*)。「元気・健康であることが生産性を向上させる」、逆に「生産性が高いため、元気・健康を維持できる」といったように、この関係でどちらがトリガーとなるかは議論の余地が残りますが、本稿では議論しないこととします。

元気・健康と生産性

リスクに強い職場作り

感染症や自然災害のリスクに備えるため、今後は、従業員の安全及び業務継続の観点も踏まえて、平常時からテレワークを活用する企業・組織が増えると考えられます。こうした環境下、テレワーク時のコミュニケーション活性化及びリスクベースでの対応の観点で、マインドヘルス計測システムの活用は選択肢の一つかもしれません。

例えば、オンライン面談時に、マインドヘルス計測システムの結果で会話が弾むこともあるかもしれません。加えて、個人のセルフマネジメント意識が高まり、チーム全体の生産性を押し上げるといったことも期待されます。

日常的に使用できるマインドヘルス計測システムは、定量的な経営判断の材料となり、リスクに強い職場を構築するための、有益なツールとなり得ます。

元気・健康を意識してコミュニケーションを楽しくする

早期発見と早期対応

マインドヘルス計測システムの大きなメリットは、不調を早期に発見できる点にあります。従って、不調が確認された場合、今すぐに対応する必要はなく、今後、1-2ヵ月の間で余裕を持って対応することができます。

早い段階で対策がとれることから、生産性への影響は軽微に留まり、かつ、直接的及び間接的な対応コストも低くなることが期待されます。

早期発見に基づく余裕のある対応

おわりに

ポストコロナ時代で自社の生産性を向上させるためには、新しい働き方に対応した職場の元気力向上が鍵となります。本稿では、リスクベースでの対応、職場の元気と生産性の関係、リスクに強い職場作り、早期発見と早期対応について述べましたが、これら施策を成功に導くためのツールとしてマインドヘルス計測システムの有益性にも触れました。現在、マインドヘルス計測システムを通じたデータの蓄積が進んでいますが、今後は、心の状態と業務イベントの相関分析、業務イベントの予測モデルなど、更なる活用領域も考えられるところです。なお、本稿では元気力を向上させる具体的な取組みは割愛しており、こちらは別の機会に触れたいと思います。

* 黒田2018, 健康資本投資と生産性, 日本労働研究雑誌2018年6月号