第11回 モチベーションと内部統制 (1/2)
シリーズの第2回「モチベーションとリスク管理」で書きましたが、モチベーションの低下は、内部統制の問題に繋がります。
個人のモチベーション低下は、組織に伝播する
モチベーションの低下は、集中力、注意力の低下に繋がります。個人のモチベーションの低下は、当初は、当該個人の問題に留まりますが、そうした状況が長期化すると、周囲の同僚にも問題が伝播し、組織全体のモチベーション低下に繋がります。
モチベーションの低下が伝播する仕組みとしては、周囲の同僚がモチベーションの低下した職員のフォローをすることで、当該同僚の業務負荷の増加を指摘できます。短期的なフォローは出来ても、中長期的には難しいと言わざるを得ません。
軽視される軽微なインシデント
モチベーション低下者の割合が増えてくると、業務フォロー等の負担が重くなってきます。その場合、軽微なミスや事故が、多忙を理由に「ちょっとくらい問題ないよね」と問題視されなくなっていきます。
忍び寄るモラルの低下
軽微なインシデントに対して誰も気に留めなくなると、ちょっと大きな事故やミスが起きても、誰も深刻に受け止めなくなります。こうして周囲に対する関心が低くなると、最初は小さな不正が発生し、いずれ大きな不正へと繋がる可能性があります。
こうしたインシデントの誘発は、「割れた窓を放置しておくと、他の窓も割られてしまう」という犯罪学の理論として広く知られています(割れ窓理論)。こうしたことは、「軽微なインシデントを放置しておくと、他のインシデントも発生してしまう」といったように、内部統制でも同様に考えることができます。

100M走の勢いでフルマラソンは走れない
モチベーション低下者の割合が増え、生産性が低下してくると、まだ元気な人に仕事が集中するようになります。最初のうちは問題ないのですが、元気な人にもいずれ限界がきます。そうなると、「こんなに頑張っているのだから、少しくらい問題ないよね」と魔が差すこともあり、重大インシデントの発生に繋がります。
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